FX業者を選定する際に、DD方式とかNDD方式などをご覧になったことってあると思います。
この記事では業者との取引方式について説明します。
インターバンク市場とは何か?
まずはFX取引の話になると必ず出てくるインターバンク市場の説明から。
インターバンク市場とは、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、日本など世界中の銀行間(中央銀行含む)の取引市場のことです。
土日以外は24時間体制で為替や短期金融の取引が行われています。
取引は銀行同士の相対取引(一対一の取引)であり、株のような公設市場(ザラバ)でのオークション形式の立会い制度ではありません。
この取引の為替レートがFXのトレード価格の元となっています。
DD方式とNDD方式を端的に言うと!
では本題であるDD方式とNDD方式について。これらを端的に申し上げると以下のとおりです。
- DD方式
- あなたの発注をインターバンク市場に流すかはFX業者のディーラー次第
- NDD方式
- FX業者は取次であり発注は即座にインターバンク市場へと流される
それでは、各々について詳細を見ていきましょう。
DD(ディーリングディスク)方式とそのメリット・デメリット
日本国内業者特有のシステム。別名OTC(オーバーザカウンター)方式といいます。
いわゆる完全な呑み行為であり、業者の利益の源泉はあなたの負け分となるわけです。
なので業者はあなたを負けさせたい!
よって業者側で如何ようにも操作可能である独自ツールをトレーダーに使用させつつ、時にディーラーがロスカット狩りやリクオート(約定拒否)を行うこともありうるという取引の不透明性がデメリットです。
ただスプレッドで儲ける必要が無いため、スプレッドが狭くなるというメリットがあります。
NDD(ノンディーリングディスク)方式 メリットとデメリット
海外業者の大半と国内業者の一部が採用しているインターバンク直結の取引方法。
要するにFX業者はあなたの注文の取次のみを行い、すべてカバー先(提携銀行)またはECNと呼ばれる株式のザラ場のようなオークション形式システムに流します。
よって透明性が高くなり、これが最大のメリットです。
業者の利益はスプレッドまたは手数料となります。
なので、業者はあなたに沢山取引を行ってもらってスプレッドや手数料を多く払って欲しい!
DD方式よりもスプレッドが広くなる・手数料がかかることがデメリットとなります。
なお、NDD方式には以下の2種類が存在します。各々紹介しましょう。
NDD方式の一つSTP方式とは?
日本のNDD方式採用業者の多くがこのSTP方式をとっています。
トレーダーの発注を一度FX業者が決済します。この点、ある意味で呑み行為とも言えるでしょう。
ですがDD方式と違い、その後即座にカバー先へ注文を流しますので、呑み行為はほんの一瞬です。
具体的にはシステムを使って、複数のカバー先から提示された価格レートの中で一番有利なもの自動的に選択し発注をかけます。
NDD方式の一つECN方式とは?
FX業者はトレーダーから手数料を貰って、発注をECN(アメリカにある金融商品を電子商取引できる私設取引システム)に直接流すのみ。手数料が発生している分、スプレッドは狭いことが多いです。
ECNはオークション形式となるため、リクオートは(約定拒否)は発生しませんが、注文が即時に決済されない場合には、スリッページ(注文レートと約定レートの乖離)が起こることがあります。